縁を結び、想いを納める

結納は婚約という人生の大きな節目の儀式です。
最近では伝統やしきたりを出来るだけ尊重しつつも、自分達らしい結納用品や結納スタイルを追求される方も増えています。

結納は結婚予定の両家で金品をやり取りし男性側の家と女性側の家の繋がりをより強く結ぶという儀式になりますので、あまり簡略化し過ぎず常識を踏まえた上で自分達の個性や想いを込めましょう。

結納品

①小袖(こそで)料…松飾り
「宝金」「帯地料」と書く場合もあり結納金を包みます。
二人が一年中緑を保つ松のように実り多い人生を送れるようにとの願いが込められています。
②柳樽(やなぎだる)料…竹飾り
結納金に酒をつけて持参しましたという意味で現金が入ります。
二人が竹のようにまっすぐに人生を送れるようにとの願いが込められています。
③松魚(まつうお)料…梅飾り
結納金に魚をつけて持参しましたという意味で現金が入ります。
春に先駆けて一番早く花を咲かす梅のように忍耐強く、力を合わせて花を咲かせるようにとの願いが込められています。
④熨斗(のし)…鶴飾り
あわびを延ばしたものを表し、不老長寿の象徴です。その上に鶴を飾ります。
鶴は長寿を意味し、生涯1羽としかつがいにならないため節操も意味します。
⑤寿恵廣(すえひろ)…亀飾り
白無地の扇子で純潔無垢のしるしと末広がりの繁栄を願っています。その上に亀を飾ります。亀は長寿を意味し、また急がず休まず一歩一歩、末永く幸せを築くようにとの願いもあります。
⑥結美和(ゆびわ)
婚約指輪のケースのふたをあけて台の上にのせます。
他に時計・ネックレスや小槌など装身具をのせる場合もあります。
⑦寿留女(するめ)
鯣(スルメ)のことで、噛めば噛むほど味が出る夫婦になるようにとの意味が込められています。
⑧子生婦(こんぶ)
昆布のことで、子孫繁栄を願って贈ります。
また「よろこぶ」にも通じます。
⑨高砂(たかさご)人形
おまえ百(掃く)までわしゃ九十九(熊手)までと言われるように共に長寿を願う意味が込められています。
茂久録(もくろく)目録
結納品の品目を記したものです。儀式の間、目録台の上は空になっています。
目録は結納おさめの後、目録台の上に飾ります。

※結納に入れる紙幣は新札を用意します。

準備品

男性が用意するもの

結納品
当日慌てないよう事前に一度出して確認しましょう。
結納金
お祝い事なので新札を用意します。
受書
前もって女性側へ渡しておきます。
風呂敷・袱紗・広蓋盆
結納品は風呂敷に包んで持参するのがマナーです。一般的に結び目を解く=別れを連想させる為、結ばずに掛ける平包みにしましょう。

女性が用意するもの

受書
男性側が用意される場合もございます。事前にご確認いただくとスムーズです。
結納返し
結納品に対するお礼としてお金や記念品を贈ります。
吉祥掛軸
ご自宅で結納を執り行う場合は、床の間に吉祥掛軸を掛けてお迎えしましょう。
線香
ご家族へのお土産に加え、ご先祖様への挨拶として線香を持参します。

お土産、桜茶・こぶ茶、千菓子や式後の会食の準備も行いましょう。

納め方
受け方

結納の儀式は、地方の習慣によって多少の違いがあります。(一般的には男性側の習慣に合わせます。)

【席次】
席の決め方はお部屋の条件によって様々ですが、一般的に上座(入口から遠い側)に男性側の席を設けます。
床の間に近い人より、本人・父親・母親の順で着席します。

男性側では当日慌てない為にも一度は出して確認しましょう。結納を納める前にお披露目も兼ねて1~2週間くらい飾るのが一般的です。

Q & A

Q.結納はしないといけないもの?

結納は、婚約を公にすると同時に、親・親族・社会に二人の結婚を認めてもらう大切な儀式です。儀式といえば堅苦しく思えますが、二人が「結婚しよう」と口約束をしますね。それを双方の親にも伝えますが、確かな約束として誠意の気持ちを形に表すのが結納です。結納をすることで女性側の親族に大きな信頼と安心を与えることでしょう。また、本人同士にとりましても、結婚への意思を再確認し合えるよい機会になるでしょう。また、男性の方から結納の話をいただいたら、男性の気持ちをくんで、慎んでお受けした方がよいでしょう。

Q.結納は地域差があるそうですが、どちらに合わせたらよいのでしょうか?

一般的に贈る側(男性側)の風習に合わせて贈ります。ただし、受け取る側(女性側)の飾る場所(床の広さ)を伺ってから贈るという心遣いも必要です。

Q.結納を行う日取りは?

結納は挙式の半年前~3か月前に行うのが一般的です。しきたりでは大安や先勝など吉日の午前中に行うものとされています。しかし現在では両家の意向を尋ねた上で本人達の都合のよい日を選ぶ方が増えています。

Q.婚約指輪だけではダメですか?

「堅苦しいことは遠慮したい」「でもケジメとして結納はしたい」といったお声もあり婚約指輪がメインの結納品セットもございます。費用を抑えられるけど勝手に決めたりせずに両家でよく話し合われることをおすすめします。

Q.結納の時の服装は?

現在では完璧な正礼装(フォーマル)は珍しく、準礼装(セミフォーマル)であれば問題ありません。結納スタイルによって更にカジュアルになりつつあり、食事会などを気軽にするだけの場合などは略礼装にする方も増えています。

Q.家族書・親族書は必ず用意するもの?

家族書や親族書はご両家の話し合いのもと準備を進めます。地域によって書き方が違う為、結納専門店で相談して作成しましょう。はなふさでは代書を承っておりますので、お気軽にご相談ください。

Q & A
男性編

Q.女性側から「結納は結構です」と持ちかけられているが、 本当にやめてもよいもの?

「先方様が簡単でいいから、といわれるので…」「恋愛だから省略します」と言われる方が最近多いようです。しかし結納は本来、大切なお嬢様をいただくという男性側の気持ちを表すものであり、女性側も「簡単で」といいながら男性側の出方を見ている場合もあります。頂く側の女性から「立派な結納を下さい」とは言えません。お客様によってケースは様々ですが、結婚への話が進むにつれ、相手方の気持ちが見えてくる場合があります。誠意をお伝えする意味でも結納を取り交わすことをお勧めします。

Q.結納金の相場は?

給料の約3ヶ月分とよく言われていますが、実際には80万〜200万円前後が多いようです。

Q.嫁入りと婿入りでは、結納にどのような違いがありますか?

婿入りの場合、男性側と女性側の用意するもの・口上が逆になります。また、包まれる結納金は「御袴料」という名称となります。(金額も嫁入りの場合とは異なり、金額に応じる形で結納品をご準備しましょう。)

Q & A
女性編

Q.男性側から結納返しはしなくていいと言われたのですが。

「必要ないとは言われたけれど…」今後親戚としておつきあいをしていく間柄です。やはり頂いたらお返しを考えましょう。気持ちの問題ですので簡単なものでもご用意されてはいかがでしょうか。

Q.いただいた結納は、どのように保管するべき?

いただいた結納品は、お祝いに来られる方々へのお披露目もかねて結婚式まで飾ります。その後、水引アートなどに加工して、ご夫婦の絆をあらわす装飾品としていつまでも大切な思い出の品として残されてはいかがでしょうか。

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