掛軸は、中国より伝わって以来多くの表具師によって研究伝承され、日本の生活様式によく調和し、書画の観賞にも保存にも適した日本独特の美術工芸品といえます。
掛軸は気温・湿度に敏感ですので、取り扱いにそれだけ配慮が必要です。

表装の出来たては、糊が充分に慣れていないため、狂いがきたり、シミが出やすい状態です。
最初の1ヶ月間は晴れの日を選んで、3日に1日の割合で掛け、2日は休ませることを繰り返して下さい。
その後掛ける際は、3日以上は続けて掛けないように、特に1過間以上の掛け放しは極力避けて下さい。
空調の強い、乾き過ぎたり湿度の高い室内、また雨や風の強い日、日光のあたる場所は、ソリやシミの原因となりますので避けましょう。
掛軸の内容は、来客や四季の気候に合わせて画題を選んで下さい。
- 軸箱から掛物を取り出し、巻緒を解き、畳の上で一文字のところまで広げ、巻緒を目だたないように左側によせ、風帯のくせを直します。
- 右手に矢筈を持って掛緒に掛け、左手で袱紗を添えて表具の中央を支えて立ち上り、床の間の釘に掛緒を掛けます。
- 矢筈を右側に立てかけ、次に両手で紬先を握って静かに下ろします。巻癖がついてしまった時は、軽くひと巻程度逆巻にして直します。
- 掛け終ったら、少し離れた場所から表具の高さ、左右のバランスなどを点検します。釘が高すぎる場合は自在で補って下さい。
床の間に良くおさまったら風鎮を掛けます。
- 柔らかい羽ぼうきで軽くほこりを払います。
矢筈を右側に立てかけ、軸先を持って上の一文字の所まで巻き上げてから、掛けた時と逆の要領で、矢筈で釘からはずします。 - 畳の上で、風帯を折り目通りにたたみ、軸をやや柔かめに巻き、掛緒を図の要領で巻いて、柔かい紙に包み軸箱に収納します。
しまいっ放しにしておくとカビてしまうことがあります。
秋の晴天の日を選んで時々虫干しをします。
(軸箱もかるく陰干しをして、乾いた布でふいて軸を収納します。)ナフタリンや樟脳はシミの原因となりますので、専用の防虫香を利用して下さい。
水やカビのシミは、放置するととれなくなります。また、折れシワなども修理・仕立直しが必要となりますのでご注意ください。
はなふさでは、掛軸の表装を承ります。
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